そろそろ忘れそうな大阪弁

「記憶が頼り」という間違った言語採集。たぶん河内方言風味。

しょうみ

2007.01.26 Friday
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漢字で書くと「正味」。アクセントはLHL。「正味重量」「正味100g」というような用法では標準語として通用してるのかな。容器や包装などの余分を取り除いた部分が「しょうみ」で、その重量。

で、建前や世間体や諸々の思惑等の余分を取り除いた部分、「本音」「本当」「実際」の物事もしょうみです。横山やすしさんの物まねで出てきがちな「しょうみのはなし」も、この正味の話です。

例:「しょうみ言うたら、店、畳もか(たともか)思てん(おもてん)ねや」
(訳:本音を言うと、店を畳もうかと思ってるんだ)

そんな本音を急に聞かされても困ります。

例:「で、しょうみ、どないだんねん」(話がはっきりしない人に向かって)
(訳:で、実際、どうなんですか)

詰め寄られてもやっぱり困ります。

しょうみ」という語をつかう人自体が少しずつ減っていたのですが、さらに「ぶっちゃけ、―。」「正直、―。」という表現が急速に伸びてしまったので、いまどきは「正味」を聞く頻度も急速に減ったように感じます。「正味」の意味がわかりにくい人には、いまどきの「ぶっちゃけ」に相当と説明すればよいのかもしれません。

「ぶっちゃけ」てないのに「ぶっちゃけ」とついつい言ってしまう人がいるのと同様、ウソで塗り固めた話を「正味な…」ともっともらしく語ってしまう人も世の中にはいるようです。

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