そろそろ忘れそうな大阪弁

「記憶が頼り」という間違った言語採集。たぶん河内方言風味。

よとぎ

2007.03.02 Friday
そろそろ忘れそうな大阪弁 > ヤ行

通夜のこと。アクセントはLHL

漢字で書くと、たぶん夜伽よとぎと言えばどこぞの家で不幸があって云々ということを指すので、男女間の何かを指すことはありません。地域等によってはそちらを指す言葉じゃないかと思うのですが。

いまどきは「お通夜」という言葉を聞く機会のほうが多くなっているのですが、祖母はお通夜という表現を使わずよとぎで通していました。仮通夜も通夜もよとぎ

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    よす

    2007.01.27 Saturday
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    「直す、修理する、修繕する」の意。アクセントはHH。漢字で書くとどうなるんでしょう。るんだろうか。調べないのでわかりません。

    子供の頃に関西に引っ越してきた人が新しくできたお友達と遊んでいるときに、別のお友達がやってきて「よーしーてー」LLH)と言われ、「私、どうしてよして=止してなんて言われるんだろう?」と驚くという、あの「よす」(仲間に入れる)ではないのです。あれはたぶん漢字で書くと「寄す」で、アクセントがLHです。

    自転車も自動車も「よす」対象です。家電製品も「よす」のです。衣類も「よす」し、家屋も「よす」のです。病気を「治す」ことは「よす」とは言いません。

    タイヤがパンクした自転車を押して自転車屋さんへたどり着いて

    例:「すんまへん、パンク(HLL)したよって、よしとくんなはるか?」
    (訳:すみません、パンクしたので修理していただけますか?)

    と言ったりしていたわけです。冷静に考えると、年寄りが言うタイヤの「パンク」は、パンクロックの「パンク」と同じアクセントになっている気がします。

    ばあちゃんなどは何かにつけて

    よしたら使える

    と言っていろんなものを修繕して使っていたのですが(その割りに機械ものや日曜大工方面は孫の私があれこれしてたような)、いまどきは「修理代のことを考えると直さずに新品に買い替え」なんて時代かもしれません。

    この言葉は、たぶん「理解できる人」はまだそれなりにいるんだけど、「日頃から使う人」があまりいない、というたぐいのものかもしれません。滅多に聞かなくなりました。大阪市内で聞ける頻度が極端に落ちているだけで、周縁部ではまだまだ多用されているのかな。

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      よって(に)

      2007.01.12 Friday
      そろそろ忘れそうな大阪弁 > ヤ行

      あまり文法的なことで悩みたくないので、動詞が前に来る場合は何形なのかとかそういうことは触れないことにしておきますが、いまどきの日常会話での出現頻度から考えるとなぜかよく知られている(と思われる)「〜さかい」と同じ意味です。「だから」などの意。アクセントはHHL。「に」が続く場合はHHLL

      いまどき、大阪市内でこの種の「さかい」や「よって」を耳にすることはほぼありません。私と同年代辺りなら理解不能ということはなさそうですが、同年代の人が日常生活で使っているということもなさそうです。古い言い回しなのでしょう。

      例:「ごはん、なあ。さいぜん、せんどよばれたよって入らん」
      (訳:ごはん、ねえ。さっき、さんざんご馳走になったから入らない=食べられない)

      例:「先行とく(いとく)よってに」
      (訳:先に行っておくからね)

      ありとあらゆる状況で「さかい」と置換可能なのかどうかはよく調べてないのでよくわかってませんが、安直に置き換えてもよさそうな気配。

      私は「さかい」よりもこちらの「よって」のほうをよく聞いてきたように思うのです。祖母が「さかい」よりも「よって」をよく使っていたのでしょう。

      いずれ取り上げる予定ですが、「問題ありませんからね」「気にしないでくださいね」という気持ちを込めて言う懐かしい表現「かましまへんよってに」(訳:構いませんからね)は、「さかい」よりも「よって」のほうが似合う気がします。

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        よろしゅうおあがり

        2007.01.10 Wednesday
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        実際の発音には揺れがあってよろしゅおあがりだったりよろしおあがりだったりします。私が家で聞いていたのは「よろしゅおあがり」。アクセントはHHLLLLH

        これはいったい何なのかと言うとですね、「ごちそうさま」に対する返事なのです。食事をきれいに平らげて「ごちそうさま」(家庭内のくだけた会話ですので実際は「ごっそさん」「ごっつぉさん」)と言うと「よろしゅおあがり」という返事が返ってくるわけです。祖母は必ず言っていました。

        「ごちそうさま」への返事があるということ自体に衝撃を受ける方もいらっしゃるとか何とか。確かに自分の生まれ育った土地で「そんなものは、ない」のが一般的だったら感覚的にわかりづらいものだと思います。

        この表現もあまり聞かなくなったのですが、京都・大阪では、食べ終わったときにこういうやりとりをして育った人たちが親の立場になり、21世紀生まれの子供に「ごちそーさま!」と言われては「よろしゅうおあがり」と返す、ということを毎日しておられる事例もどこかにあるのだと思います。そういう一部のご家庭では受け継がれていくはずなのですが、どうなっていくんだろう。

        この先、徐々に徐々に「ごちそうさま」に「よろしゅうおあがり」という返事がある(という地域もある)ことを知らない人が増えていくのではないかと。

        そういえば「よろしゅうおあがりは、いただきますへの返事」説をどこかで見たような記憶があるのですが、詳細は忘れました。ともあれ、「いただきます」に対して使っている人もいるようです。

        追記:
        「そういえば、お粗末様という言葉があったような気がする」と、書いてから思い出しました。全く使わないので存在を忘れてます。よろしゅうおあがりの訳としてはお粗末様(でした)を当てればいいのかな。

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