そろそろ忘れそうな大阪弁

「記憶が頼り」という間違った言語採集。たぶん河内方言風味。

「ラッタッタ」と「ポインター」

2008.02.01 Friday
そろそろ忘れそうな祖母言語

ばあちゃんは原付スクーターのことをラッタッタと呼んでいました。これは方言でも個人語でもありません

原付スクーターをラッタッタと呼ぶ人にとってはヤマハ・JOGであろうが何であろうが全てラッタッタです。この呼び方のもとになったはずのホンダ・ロードパルの存在など知ったこっちゃない勢いで、あれもこれもラッタッタです。

いちおう、ばあちゃんなりに「ラッタッタ/そうでないもの」の線引きはあったらしく、新聞配達や郵便配達のビジネスバイクや、原付一種であっても膝で燃料タンクをはさむ形状のものは、ラッタッタでないという区分けになっていたようです。90ccや100ccのスクーターも車体の大きさが50ccクラスなら、たぶんラッタッタ側だと思います。

いまどきの250cc、400ccの大きなスクーターがどちらに入るのか気になります。

さらに手強かったのが、ばあちゃんの姉(明治38年生まれ・故人)です。

「あんた、ポインター買うたんか。ポインター楽やろ?自転車とちごて漕がいでも前行っきょるさかいな」

母が買った原付を見た瞬間にばあちゃんの姉はそう言い、母は何事もなかったかのように「楽やわ」とか適当に話を合わせていました。私が小学生の頃の話。

当時の私は、近所で飼われている雑種犬じゃない犬が「ポインター」という種類らしいということしか知らなかったので、全く何の話なんだかわからず不思議でした。なぜ原付のことを犬の種類で呼ぶんだろうと。

かつて新明和工業が「ポインター」というブランドでバイクを製造していたことを知ったのは、ずっとずっとあとになってからの話です。

まだラッタッタと呼ぶお年寄りはいるようですが、ポインターと呼ぶ人はばあちゃんの姉ぐらいしか知りません。

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    おとす

    2008.01.30 Wednesday
    そろそろ忘れそうな大阪弁 > ア行

    漢字では「落とす」なのでしょう。そのまま。標準語でも使う語。アクセントも「財布を落とす」場合と同じ、HHH

    これだけでは何がどうそろそろ忘れそうな大阪弁なのか全くわからんわけですが、ここでは(門・扉・戸を)施錠する/鍵をかけるの意です。

    例:「玄関落としてんか。勝手口はワイが落とすさかい」
    (訳:玄関を施錠してくれるか。勝手口は自分が施錠するから)

    例:「ほな行こか。あっ。家、落としたか?」
    (訳:じゃあ行こうか。あっ。家の戸締まりをしたか?)

    「家をおとす」こともあります。

    未だに母が「おとす」を多用していますし、私自身も使うのですが、近頃通じにくくなりつつあるようなので記載。

    元々、閂(かんぬき)の棒を文字通り「落とす」ことで戸締まりをしていたことの名残なのかな?鍵を錠に差し込んで回したりドアノブのポチを押したりする方式よりも、つっかえ棒などを南京錠で固定する類の施錠方式のほうが、個人的な「落とす」のイメージに近いです。

    うちではどんな形態の錠であっても「戸締まり=落とす」でした。母や亡祖母にとっては、指紋認証だろうが何だろうが家の出入口をロックする行為は「おとす」のはず。自動車のドアの施錠がどうなのか気になるところですが、長らく自動車と無縁な家だった関係でよくわかりません。

    少なくとも母に「車、落としたか?」と訊かれたことはないので自動車のドアは別の扱いなのかも。

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      なんば

      2008.01.30 Wednesday
      そろそろ忘れそうな大阪弁 > ナ行

      難波(HLL)ではありません。鴨肉入りの蕎麦でもありません。

      畑でばあちゃんもよく育てていたトウモロコシのこと。アクセントはHHH。たぶん「南蛮→なんば」なのでしょう。

      そもそも「とうもろこし」という名自体がよくよく考えると「唐唐土」と何かしら重複してそうなのに、南蛮モノ呼ばわりされてしまう扱いが謎です。意地でも渡来品でなくてはならんのか。

      例:「なんばの焼いたん、冷蔵庫にあるさかい食べ」
      (訳:焼きトウモロコシが冷蔵庫にあるから食べなさい)

      こう言われて冷蔵庫を開けると、トウモロコシに砂糖醤油を刷毛で塗りながら焼き上げたものがですね…ばあちゃん、なんで冷やすんな。

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        「そろそろ忘れそう」でした

        2008.01.30 Wednesday
        おしらせ

        このサイトの存在自体を。

        低更新頻度でも続けるとよいと思うのです。
        存在を思い出したので、また何か書いてみようかと企んでいます。

        いつまで続くかは謎です。

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          はったい粉

          2007.05.11 Friday
          そろそろ忘れそうな習俗

          これ自体は「忘れそう」でも何でもないのかな。はったい粉(はったいこ。アクセントHHHHH)。麦を炒って粉にしたもの…らしいです(祖母・談)。

          たぶん菓子材料にしたりとか、本当はいろいろと使い道があるんじゃないかと思うのですが、うちではそのまま食うものでした。おやつとして。

          いまどきはどこで入手するのかよく知らないのですが、私が子供の頃は近所の米屋さんで買うことになっていました。おつかいに出されたりもしたものです。で、子供心に「量の割りにあんまり高くないよな」と思いながら、褐色の粉が入ったブクロを米屋のおいちゃんから渡されて帰ってくるわけです。

          そして、このはったい粉をどう料理するわけでもなく。

          1. 器に必要量だけ移す。うちでは困ったことに丼が使われていたので2カップぐらい。
          2. そこへ砂糖を適宜入れる。
          3. ひたすら混ぜ混ぜする。このプロセスは、餅につけるきな粉と同じ。
          4. 粉のまま食う。

          そういうシロモノでした。祖母は「昔はよう食べたもんや」と言っていました。

          まずいとは思わなかったし(むしろ美味しいと思って食べていた)、唾液が粉に吸収されまくることと、粉が口に入った状態でうっかり口から息を吸い込むと大惨事が起きることに気をつければ、さほど悪いものではなかったように思うのです。当時は、世間の同年代のガキンチョがホットケーキなんぞを食べてそうなことを思い浮かべて「なんか貧乏くさくないか?」と思ったりしていましたが。

          「砂糖入りはったい粉。粉のまま」という、ただそれだけのおやつ。20年以上食べていません。当時買いに行った米屋さんに「はったい粉あります」という紙が貼られることもなくなりました。と、忘れそうなので記録。

          真面目に調べる気力がないのですが、砂糖を混ぜるだけでそのまま食べる以外にきっとあるはずの、もっとまともそうな調理法が気になります。

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